へいまいく!

Big Band、Saxの話題や、自分が採譜したソロ譜面を公開する音楽系ブログです。

アルトサックス色々と吹いてみた - YAMAHA YAS-82Z編

Selmer編(前編)はこちら。)


82Zの旧モデルは、2002年の発売直後に試奏した他、後輩の楽器選定の時とかで何度も試奏しています。
ノーマルラッカー/アンラッカー、High F# Key有り/無しの4つのバリエーションを吹いた事が有ると思いますが、その時から一貫して「ノーマルラッカーの方が普通に良い楽器じゃ。」と思っていました。
以前もちょっと触れた事が有るんですが、アンラッカーモデルはちょっと鳴り方が不自然な印象が有りましたし、管体表面の状態がひとしきり落ち着いてからじゃないと、なかなか評価が難しいなぁ、と。
表面の状態が落ち着くのには多分半年〜1年位掛かると思いますし、その状態になったものって得てして中古とかになってしまうので、他の新品の楽器と近い条件でフェアに比較するのが難しい。

なので、今回の新モデルもアンラッカーのモデルはあまり触手食指が動かないと言うか…。
楽器屋さんによってはアンラッカーモデルは試奏NGだったりもしますし。

という事で、新旧82Zのノーマルラッカー、High F# Key有りを吹き比べてみました。

1.YAS-82Z(旧モデル)
定価(税抜): 350,000円

うん、普通に良い楽器。
コントロールし易いですね。
ただ、鳴り方は若干こぢんまりとしてしまっている気がします。
音色はニュートラル(若干明るめ?)という印象です。


2.Yamaha YAS-82Z(新モデル)
定価(税抜): 390,000円

…吹いた時の第一印象は最高だったんです。
「うわぁすげー!全然こっちの方が良い!」という感じで。
グッと踏み込んだ時にしっかり応えてドカンと鳴ってくれます。

…ただ、暫く吹いているとバリッと鳴る感じがどうしても気になりました。
特に音量をmf以上で吹こうとするとどうしてもバリッと鳴ってしまって意図した音色のコントロールがし難い。
ちょっとピーキーで、単純に音量も大きいドッカン系の気がしました。

個人的には、「メタルレゾネーターはやり過ぎだったんじゃ?」と感じています。
これで普通にプラスチックレゾネーターだったら、ちょうど僕好みのストライクゾーンにバシっと入ってくれたんじゃ…とか考えてしまいます。

そうそう、今月号のJazz LifeにYAMAHAの開発者の方のインタビューが載っていたんですが、今回の開発で重要視したのは「反応と明るさ」だったそうで。
…うーん、どちらもピンと来ないんです。
インタビュー記事を読んで、「まぁ確かに反応は早くなったかな」と思ったぐらい、明るさに関してはむしろ逆に出来る限りニュートラルな方向に振ろうとしたのだと感じていました。

どうにも混乱してしまうのですが、多分僕が漠然と考えている「Jazz向け」という方向性と、違う方向を見ているのだと思います。
エレクトロニック系の楽器と合わせるのとか、繊細な音色コントロールを多少犠牲にするのは厭わず、とにかくガツンと音量が欲しいシーンにはうってつけの楽器だと思います。
フルバンのシーンで音量が欲しい時にも良いかもしれないんですが…やっぱり音色コントロールの部分がどうにも気掛かりです。

ちょっと僕の趣味には嵌らないみたいなんですが、同じ型番の楽器とは思えない位印象が違う楽器に仕上がっています。
…むしろ、こんなに違うなら型番変えた方が良かったんじゃないかと思わざるを得ませんが。

多分多くの方が気になるであろう、「で、新旧どっちが良いのよ?」という質問には、すごくありがちな答えなんですが
「使用シーンや好みによる」としか言いようが無いです。
敢えて「どっち」と言おうとしても、この価格帯なら実はオススメはYanagisawa A-991だったりするので、ちょっと何とも言い難いです。


3.YAMAHA×WoodStone YAS-82Z-WS
定価(税抜): 500,000円

この楽器は別記事にしょうかとも思ったのですが、この記事にまとめてしまいます。

いやぁ…素晴らしい楽器でした。
YAS-82Z(旧)が元になっていますが、それよりもボリュームも出ますし、音色も渋めになっています。
トータルのバランスがとても良くとれていると思います。

価格度外視で考えると、今回吹いたモデル全ての中でこのモデルが一番好みでした。
Marshall Royalのフィーチャー曲とかを自然に紡ぎたくなったのは、この楽器だけでしたし。

ただ…お値段お高いですよね。
定価ベースでYAS-82Z(旧)+15万円、そして値引きも渋い…となると…。

ちなみにYAS-82Z(新)を元にした楽器も発売予定、との事でした。